長期優良住宅とは?購入したときのメリットやデメリットもわかりやすく解説!
新築一戸建て住宅をお探しのお客様より「長期優良住宅って、どんなおうちなの?」と質問をいただくことがあります。
今回は「長期優良住宅ってなに?」から、長期優良住宅のメリットとデメリットを解説します!
不動産の購入前に知っておきたい!長期優良住宅とは?
まず長期優良住宅とは、どのような住宅なのかを説明します。
長期優良住宅とは
長期優良住宅とは、長期間にわたり、良好な状態で住み続けられる住宅を指します。
2009年(平成21年)に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の認定を受けた住宅は、長期優良住宅として販売されます。
認定を受けるためには、国交省が定めた水準値をクリアする必要があります。
長期優良住宅の認定条件
長期優良住宅の認定条件は、下記の10分野に大別されます。
① 劣化対策
② 耐震性
③ 維持管理・更新の容易性
④ 可変性
⑤ バリアフリー性
⑥ 省エネルギー性
⑦ 居住環境
⑧ 良好な居住水準を確保できる住戸面積
⑨ 維持保全計画
⑩ 災害配慮
各分野ごとに設定された等級や水準値をクリアし、建築主による行政庁への申請と許可を得て長期優良住宅となります。
もう少し分かりやすく!主な項目を具体的に説明☆
劣化対策
「構造躯体が3世代(おおむね75~90年)にわたり使用できる措置が講じられているおうち」
耐震性
「地震による損傷や倒壊を回避し、地震後にも住み続けることができる堅牢なおうち」
省エネルギー性
「冷暖房時の効率化をはかり、より断熱性能を高めたおうち」
維持管理・更新の容易性
「建物よりも早く劣化する配管設備の、点検やメンテナンスが容易なおうち」
災害配慮
「災害発生のリスクに応じて、行政庁の定めた措置を講じたおうち」
長期優良住宅のメリットは?
長期優良住宅を購入するメリットは、税制面の優遇措置を受けられる点です。
メリット① 住宅ローンの金利が低くなる♪
住宅ローンを利用する場合は、金利が通常よりも優遇されるケースがあります。
ただし、上記はフラット35で住宅ローンを利用する場合のみ金利が優遇されると理解したほうが良いかもしれません。
※ フラット35とは、住宅金融支援機構(独立行政法人)と民間の金融機関の提携による、全期間固定金利タイプの住宅ローン商品です。
フラット35での融資を検討されるお客様は、大きなポイントですね☆
なお一般的な銀行(都市銀行や地方銀行など)は、基本的には長期優良住宅に対する金利優遇はありませんので誤認されないよう注意が必要です。
メリット② 固定資産税の軽減優遇が延長♪
通常、新築住宅の建物にかかる固定資産税額は、3年間にわたり2分の1に半減されます。
一方、長期優良住宅を購入する場合は、半減期間が5年間(+2年間)に延長されます。
なお、固定資産税の軽減措置を受ける条件として、住宅面積を50㎡以上かつ280㎡以下にすることが必要であったり、居住部分の床面積が全体の2分の1以上を占めなければならないなどの規定があります。
おうち探しの時は、信頼できる不動産屋選びも大切ですが、事前に市町村が公表している諸条件を確認されてみても良いかもしれませんね。
メリット③ 住宅ローン控除額の上限が拡幅♪
2025年も、前年と同条件で住宅ローン控除が適用されます。
例えば、省エネ基準の住宅は控除上限額が3,000万円であるのに対し、長期優良住宅の上限額は4,500万円です。
新築であれば13年間にわたって所得税が還付されるため、上限額に比例して還付額も増えますよね☆
メリット④ 地震保険が安くなる♪
長期優良住宅は、等級2以上の耐震性能が必要です。
耐震等級2や耐震等級3の住宅は、一般住宅に比べて地震保険も安くなります。
長い歳月で換算すると、いずれ大きな差が出る重要なポイントです☆
メリット⑤ 登録免許税の軽減♪
不動産の購入時は、所有権移転等の登記手続きが必須です。
上記の際に国へ納める税金を「登録免許税」といいます。
通常は「課税標準×税率」で課税される登録免許税ですが、本則0.4%の税率に対し、長期優良住宅は0.1%に引き下げられます(一般住宅は「0.15%」)。
なお、登録免許税の軽減措置は、2027年3月31日までに住宅を取得されたお客様が対象です。
メリット⑥ 不動産取得税を抑えられる♪
長期優良住宅を購入した場合は、不動産取得税の控除額が増額されます。
一般住宅を購入した場合の控除額は1,200万円ですが、長期優良住宅は1,300万円まで増額されます。
参考までに、一般的な住宅と長期優良住宅の納税額の差を計算しましょう。
住宅の固定資産税評価額が2,000万円であった場合、不動産取得税は以下の通りです。
一般的な住宅 =(2,000万円 - 1,200万円) × 3% = 24万円
長期優良住宅 = (2,000万円 - 1,300万円) × 3% = 21万円
以上の⑥項目より、長期優良住宅は節税効果やランニングコスト軽減が強みです。
長期優良住宅のデメリットは?
次は「人によっては、デメリットに感じられてしまうかもしれない」という懸案事項です。
デメリット 定期的な点検とメンテナンス
これまでのように、長期優良住宅は高い水準値をクリアすることを条件に、税制優遇を享受できるおうちです。
時間の経過とともに高い水準値が著しく低下するような場合は、環境保全への貢献値も下がり優遇措置を設けた意味がなくなってしまいますよね。
従い、長期優良住宅の所有者には定期的な点検とメンテナンスが義務付けられています。
具体的には、維持保全計画の立案、計画に従った点検やメンテナンス(修繕)が必要です。
もし、維持保全計画を放棄しておうちの自主管理を怠った場合は、長期優良住宅の認定が取り消されることもありますのでご注意ください。
反面、定期的なメンテナンスが住宅の安全性維持につながるため、一概にデメリットとは言い切れませんね☆
まとめ
長期優良住宅とは、長期間にわたり、良好な状態で住み続けられる住宅です。
長期優良住宅の購入により、主に税制面での節税が期待できます。
やはり家族3世代にわたって、安全&笑顔で住めるおうちという安心感が、なによりものメリットですね!
記事監修
おうちむすび