屋根付き駐車場の設置費用はどのくらい?ガレージとの違い・注意点も解説
マイホームを購入してリフォームするにあたり、屋根付き駐車場の導入を検討する方がいるかもしれません。
しかし「どのくらいの費用がかかるのか」「ガレージも同じ雰囲気があるけど何が違うのか?」など、疑問に思うことも多々あるでしょう。
そこで今回は、屋根付き駐車場の設置にかかる費用の相場とガレージとの違い、設置における注意点を解説しますので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
屋根付き駐車場の設置にかかる費用相場
屋根付き駐車場の設置にかかる費用は、サイズやグレードなどにより異なります。
台数別にみる屋根付き駐車場の設置費用
屋根付き駐車場の設置費用は、台数が増えるほど高額になります。
コンパクトな1台用の屋根付き駐車場は、安いもので10万円、高額なもので40万円程度で施工可能です。
2台用の場合は30万円~50万円、3台用では50万円~70万円が費用の目安となります。
4台用の屋根付き駐車場を設置する場合、最低でも40万円、最高で90万円程度の費用がかかると考えておくと良いでしょう。
機能別にみる屋根付き駐車場のオプション費用
屋根付き駐車場を設置する際、雪が降りやすい地域では耐雪機能を追加するなど、地域の特性に合わせてオプションを選択することがあります。
たとえば、強風が吹きやすい地域には耐風タイプの屋根付き駐車場が約2万円で提供され、豪雪地帯向けの耐雪タイプは、限界積雪量に応じて1万~15万円の幅で費用が異なります。
また、遮熱性に特化したタイプは約2万円、UVカット機能付きの場合は約10万円が費用相場の目安となるでしょう。
屋根付き駐車場の設置にかかる工事費用
屋根付き駐車場の設置には、本体費用にくわえて工事費用の負担も必要です。
組み立てから設置までの基本的な取り付け工事費用は約5万円が相場ですが、部材のカット加工が必要な場合は、追加で約1万円の費用がかかることもあるでしょう。
地面がコンクリートでない駐車場では、支柱の固定に必要なコンクリート打設工事が1㎡あたり約2万円追加され、広くなるほど費用負担が増加します。
すでにコンクリートが打設済みの場合、支柱設置場所のはつり工事は1か所あたり3,000円で、総額で約1万円の費用がかかります。
そのため、工事費用の総額は、コンクリート打設済みの駐車場の方が安く抑えられるでしょう。
デザイン別にみる屋根付き駐車場の設置費用
屋根付き駐車場の費用は、デザインの違いによって変動します。
フレームに屋根パネルが付いたシンプルタイプの屋根付き駐車場はもっともリーズナブルで、費用は9万~10万円です。
ブラックなど、高級感のあるカラーリングやモダンな雰囲気のタイプはやや高めで、費用は11万~13万円で設置することができます。
もっとも高額なデザインは、ナチュラルな雰囲気の木目調で、費用は13万~18万円が相場です。
屋根付き駐車場とガレージとの違い
屋根付き駐車場とガレージは、同じ駐車場の一種であり混同されやすいですが、双方にはさまざまな違いがあります。
屋根付き駐車場とガレージの違い1.特徴
屋根付き駐車場は、屋根と柱だけのシンプルな構成であり、駐車場を取り囲む壁はなく、周囲は開放的な状態です。
車を雨や雪、日光から保護する役割があります。
一方、ガレージは車庫とも呼ばれ、屋根と柱に加えて三方向を壁で囲む構成が特徴です。
駐車場よりも駐車用の建物といえるほど頑丈な見た目をしており、屋根付き駐車場よりも雨や雪、日光から車を保護する機能に優れています。
また、ガレージには前方にシャッターが付いていたり、門扉が設置されていたりすることが特徴です。
さまざまな天候から愛車を守りたい方には、屋根付き駐車場よりもガレージの方が適しているでしょう。
屋根付き駐車場とガレージの違い2.種類
屋根付き駐車場とガレージには、種類に違いがあります。
屋根付き駐車場は、柱と屋根の違いにより主に2種類に分類できます。
柱が左右どちらかにしか設置されていない片側支持タイプは、駐車場を広く使えて、駐車スペースを確保したい方におすすめです。
柱が両方にある両側支持タイプは強度が高く、雪が降りやすい地域や強風が吹きやすい地域への設置に適しています。
屋根付き駐車場の屋根の種類も比較的多く、一定の強度を誇るポリカーボネートや耐久性に優れた金属板、リーズナブルな波板が定番です。
ガレージには、門扉のバリエーションが豊富で、5種類に分けられます。
定番の折戸タイプは、門扉を折りたたんで収納できるのが特徴で、住宅とガレージの入口を併用したいときに適しています。
シャッタータイプは、遠隔操作できる代わりに価格が高く、アコーディオンタイプは折りたたみ型の門扉でリーズナブルな点が特徴です。
そのほか、扉の収納スペースを確保できる住宅に適したスライド式の引き戸タイプ、収納スペースに限りがある住宅向けの跳ね上げタイプもあります。
屋根付き駐車場を設置するうえでの注意点
屋根付き駐車場を設置するには、いくつか注意点を踏まえることが大切です。
トラブル発生の原因になるおそれがあるため、設置する前に確認しておきましょう。
注意点1.境界線を確認する
屋根付き駐車場を設置する際の注意点として、まず隣地との境界線の位置を確認することが挙げられます。
屋根付き駐車場は、建築基準法において建築物に該当するため、隣地の境界線との間を50cm以上離さなければなりません。
隣地との境界線ギリギリに屋根付き駐車場を設置すると法律違反となるため、設置前に境界線の位置を確認することが重要です。
また、屋根付き駐車場から隣地との境界線までの距離は、壁を起点として計測することも覚えておきましょう。
注意点2.隣地への配慮を重視する
屋根付き駐車場の設置では、隣地への配慮も重要な注意点のひとつです。
たとえば、隣地との境界線から離れた場所に屋根付き駐車場を設置した場合でも、屋根の端が境界線ギリギリになると、積もった雪が隣地へ落下するおそれがあります。
また、雨水が屋根をつたって隣地に流れ、水たまりを作ったり、外壁を汚したりするなどのトラブルが発生する可能性もあります。
法律に基づき屋根付き駐車場と隣地との境界線の間を50cm以上離した場合でも、屋根の端がどの位置にくるかを確認することが重要です。
もし、雨水が隣地に流れ込むようであれば、屋根に雨どいを設置し、雨水が自宅の敷地内に流れるように工夫することが求められます。
注意点3.建築確認申請の必要性を確認する
屋根付き駐車場の設置に関する注意点として、建築確認申請が必要かどうかを確認することも重要です。
柱と屋根で構成されている屋根付き駐車場でも、大きさによっては建築確認申請がないと設置できない場合があります。
とくに、防火地域内に自宅がある場合、建築確認申請の必要性は重要となるため、事前に確認を怠らないように注意が必要です。
屋根付き駐車場の設置条件に建築確認申請が含まれているか調べるためには、自治体が制定する条例や土地の法律に精通した施工会社に相談することをおすすめします。
まとめ
屋根付き駐車場を設置するにあたり、本体代や基本工事費用、サイズなどに応じた費用負担が生じます。
屋根と柱、壁からなる頑丈なガレージとは違い、屋根付き駐車場は屋根と柱だけで成り立つシンプル構造が特徴です。
設置時は隣地との境界線に配慮するなど、注意点を把握したうえで工事に着手しましょう。