住宅を購入する際に注意すべきオーバーローンとは?リスクも解説

マイホームを購入する際に知っておくべき制度の1つに「オーバーローン」があります。
オーバーローンは、頭金が準備できない方にとってはメリットといえる一方で、リスクも多いため注意しなければなりません。
そこで、オーバーローンとはなにか、注意点とこのローン形態のリスクについて確認していきましょう。
これからマイホームの購入をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
住宅を購入する前に知っておきたい「オーバーローン」とは?

住宅の購入をする際は、住宅ローンを組む方が多いのではないでしょうか。
しかし、その際は、こうしたローンの存在に留意しなければなりません。
ここでは、オーバーローンとはなにかを解説します。
オーバーローンとは
オーバーローンとは、住宅を購入する際に物件価格以上の金額で住宅ローンの融資を受けることをいいます。
物件価格以上の金額とは、不動産の購入費用だけでなく、それに係るさまざまな諸費用もローンを組む状態を指します。
諸費用が100万円を超えることも少なくありません。
そのため、それらの費用が準備できず、諸費用も合わせた金額で住宅ローンを組むケースがあるのです。
以前は、住宅を購入する際は、頭金を3割程度用意するのが一般的でした。
しかし、近年では融資の審査が緩和され、物件価格を超えた借り入れでローンを組む方が増えてきています。
住宅購入でかかる諸費用とは
オーバーローン状態でローンを組む際は、前述したように諸費用が含まれているケースがほとんどです。
では、諸費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
おもな諸費用は、印紙税・登録免許税・不動産取得税・登記費用・融資手数料・火災保険料・仲介手数料などです。
一般的には、これらの費用の合計額は、新築の場合で物件価格の3~7%で、中古住宅の場合で6~10%かかるといわれています。
つまり、4,000万円の中古住宅を購入した場合は、240~400万円の諸費用がかかることになります。
このように、実際には住宅購入費にプラスして費用が発生する点を念頭に置きましょう。
また、物件によっては「頭金なしで購入可能」となっているケースもありますが、この場合は諸費用は現金で用意するのが前提となっているケースがほとんどです。
いざというときに現金がなくて慌てないためにも、事前にどのくらいの諸費用がかかるのか把握しておくと良いでしょう。
オーバーローン状態で住宅を購入する際の注意点

オーバーローンは、住宅購入にかかる諸費用を用意できない方にとっては、大きなメリットとなるかもしれませんが、用心すべき点も多いため事前に理解しておくことが大切です。
ここでは、物件価格を上回る融資を受ける場合の注意点を解説します。
おもな注意点は以下の3つです。
●諸費用の融資は金利が高いことがある
●購入直後の売却には気を付ける
●審査が厳しい
順番に気を付けるべき点を見ていきましょう。
注意点①:諸費用の融資は金利が高いことがある
住宅購入で必要な諸費用は、住宅ローンの金利で融資を受けられる金融機関もあれば、諸費用部分は高い金利での借り入れとなる、別枠融資となるケースもあるため気を付ける必要があります。
住宅ローンは、ほかのローンに比べると、一般的に低く設定されています。
しかし、別枠融資となれば、金利が高くなるかもしれません。
つまり、想定していたよりも毎月支払う金額が高くなることもあるため注意しなければなりません。
たとえば、多くの方に利用されている「フラット35」では、借入金額が物件価格の9割を超えると、金利が高くなる仕組みになっています。
そのため、オーバーローン状態で住宅ローンを組む場合は、諸費用分の金利の差にも十分に気を配りましょう。
注意点②:購入直後の売却には気を付ける
住宅を購入したものの、さまざまな事情により住宅を手放さなければならなくなった場合は注意しなければなりません。
というのも、ローン残高以上の金額で売却しなければならないためです。
こうしたローン形態では、住宅購入費+諸費用という合計額で借り入れている場合が多くなっています。
住宅を購入した価格で売却すると、諸費用分のお金を精算できません。
そのため、住宅を売却したあとも残ったローンを支払い続けることになるでしょう。
注意点③:審査が厳しい
オーバーローンの場合は、審査が厳しい傾向にあるため留意が必要です。
その理由としては、住宅の購入以上の金額を貸すことは、金融機関にとってリスクが大きいからです。
住宅ローンの融資を受ける際は、収入面・勤続年数・年齢・健康状態・返済負担率など、さまざまな観点から審査されます。
とくに、オーバーローンの場合は、これらの審査基準が厳しく設定されているケースが多いため忘れずにチェックしましょう。
オーバーローン状態で住宅ローンを組む具体的な融資例としては、物件購入費4,000万円に加えて諸費用300万円を合わせ、合計4,300万円の融資を受けるようなケースが挙げられます。
この場合、審査で融資可能と判断されれば頭金ゼロで購入できますが、毎月の支払いは想定より高額になることがあります。
住宅を購入する前に知っておきたいオーバーローンのリスク

最後に、物件価格を上回るローンを組むことで生じるリスクについて確認しましょう。
こうしたローンは、融資を受けるときだけでなく、借入期間中にも問題が起こりやすいため気を付ける必要があります。
おもなリスクは以下の2つです。
●売却できない可能性がある
●離婚時の財産分与時に問題になる
上記のリスクについて順番に見ていきましょう。
リスク①:売却できない可能性がある
住宅ローンを組んで、何らかの理由により支払いが困難になっても、最終手段として住宅を売却することで解決できる可能性があります。
しかし、オーバーローン状態でローンを組む場合は、ローン残高が住宅の価値を常に上回っている状態です。
つまり、売却しても売却代金でローンを完済できないことがほとんどなのです。
ローンを売却代金で完済できなければ、その差額を自己資金などで賄わなければならず、対処が難航するケースもあるでしょう。
もし、自己資金で賄えないとなれば、債権者である金融機関が売却を認めてくれない、つまり売却したくても売却できない状況に陥ります。
このように、返済額が物件の価値より多い状態は、売却の際にも大きく影響するため、意識しておかなければなりません。
リスク②:離婚時の財産分与時に問題になる
オーバーローン状態で住宅ローンを組むと、離婚する際の財産分与にも大きく影響する可能性が出てきます。
まず、離婚により不動産を売却した代金を財産分与として当てにしていても、残高のほうが住宅の価値を上回っている場合は、そもそも財産分与の対象にならないかもしれません。
また、リスク①で述べたように、この状態の不動産は売却が難しいため、離婚してもどちらかがそのまま住み続けることになるでしょう。
仮に、不動産が共有名義になっていて夫婦ともに住宅ローンを抱えていたとしても、どちらか片方が住み続ければ、もう片方にとって不公平感が生じるおそれがあります。
そのため、何らかの形で調整する必要が出てくるでしょう。
このように、売却できれば解決しそうな問題も、ローン残高が上回った状態で不動産を所有していると、さまざまなリスクや問題が発生してしまう点に気を付ける必要があります。
まとめ
オーバーローンは、住宅購入費用以外の諸費用も合わせて融資を受けるなど、住宅の価値よりも借り入れる金額が大きい状態を指します。
頭金などの資金が用意できない場合にメリットとなるものの、売却時や財産分与時などに問題やリスクが発生する可能性が高いため、安易にこうしたローンを組むのは避けることをおすすめします。
住宅を購入する際は、資金計画をしっかり立てるとともに、将来のライフプランも十分に考慮しておきましょう。