不動産を相続すると税金がかかる?種類と計算方法についても解説!

お役立ち情報

不動産を相続すると税金がかかる?種類と計算方法について解説

今回は、不動産の相続時に発生する税金の種類と計算方法、税金を抑える方法について解説します。
いざという場面で慌てるのではなく、事前に理解しておくと安心かもしれません。

不動産の相続時に発生する税金の種類

不動産の相続時に発生する税金の種類

まず、不動産を相続するとどのような税金が発生するのか?その種類と内容について解説します。

不動産の相続時に発生する税金は、以下の2つです。

● 登録免許税
● 相続税


どのような税金なのか、その内容と支払い方法について順番に解説します。

 登録免許税 

登録免許税とは、不動産登記の手続きにかかる税金です。
不動産の所有権を移転する場面など、登記簿への追記や変更をするときには、法務局での登記手続きが必要です。
上記のような登記申請時に徴収されるのが登録免許税です。
不動産を相続した場合は、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する相続登記をしなければなりません。

相続による登記を怠ると罰則の対象になりますので注意してください。


登録免許税の支払い方法
登録免許税は、現金での納付が原則です。
金融機関で納付書を提出して登録免許税を支払い、領収証書を受け取ります。
その証書を登記申請書に貼り、法務局に提出すれば登録免許税の納付が完了します。
登録免許税が3万円以下であれば、収入印紙による納付も可能です。
また、オンラインで申請する場合は電子納付も可能です。

 相続税 

相続税とは、相続により財産を取得した場合に、その取得した財産に対して課される税金です。
財産には、現金や預貯金・不動産といったプラスの財産だけではなく、借金や未払いの税金といったマイナスの財産も対象になります。

なお相続税には基礎控除額が設定されているため、取得した財産の課税価格が基礎控除額を超える場合のみ、その超えた部分に税が課される仕組みです。
具体的な計算方法は、次章で解説します。


相続税の支払い方法と納付の期限
相続税は、金融機関で現金による一括納付が原則です。
また、クレジットカードによる納付も可能です。

相続税の納付には期限があり、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10ヵ月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署に申告しなければなりません。
期限内に申告しなかった場合は無申告加算税や延滞税が課されるケースもあるため、遅れることがないよう注意してください。

不動産の相続時に発生する税金の計算方法

不動産の相続時に発生する税金の計算方法

不動産を相続すると、登録免許税や相続税が発生することは前章で解説しました。

次は、実際にどれくらいの税金がかかるのか?についての計算方法を解説します。

 登録免許税を計算する方法 

前出のとおり、登録免許税は登記手続き時に課されますが、税額は固定資産税評価額に税率を乗じて算出します。
相続登記に必要な登録免許税は、以下の計算式です。
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
固定資産税評価額を調べるには、固定資産税の納付時に郵送される納税通知書や、役所で取得できる評価(公課)証明書を確認しましょう。

 相続税を計算する方法 

相続税は、以下の手順に沿って計算します。

① 遺産総額を求める

まずプラスの財産の合計額を算出し、そこからマイナスの財産や葬儀費用を差し引いて遺産総額を求めます。
現金や預貯金は額面で計算できますが、不動産については相続税評価額を用いて計算するのが一般的です。


② 基礎控除額を引く

次に、遺産総額から基礎控除額を差し引きます。
相続税には基礎控除があるため、差し引く控除額の計算式は以下です。
基礎控除額 = 3,000万円+600万円×相続人の数
たとえば、相続人が3人いる場合の基礎控除額は、4,800万円です。
遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税は課されないというルールです。
遺産総額から基礎控除額を差し引いて残った金額が、課税遺産総額となります。


③ 相続税の総額を求める

課税遺産総額が算出できたら、次は法定相続割合どおりに相続したと仮定し、それぞれの取得額を以下の式で計算します。
各相続人の取得額 = 課税遺産総額×法定相続分
法定相続分は民法により定められており、たとえば相続人が配偶者と子ども2人の場合、配偶者が1/2、子どもが1/4ずつとなります。
各相続人の取得額が計算できたら、各相続人が負担する相続税を、以下の計算式で割り出します。
各相続人の相続税 = 取得金額×税率ー控除額
各相続人の相続税が算出できたら、それを合算します。


④ 法定相続人ごとに相続税額を算出する
ここまでの計算は、あくまで法定相続割合どおりに相続したと仮定しているため、最後に以下の計算式で実際に取得した割合に応じて按分します。
各相続人の税額 = 相続税の合計額×各相続人の実際の取得額÷課税価格の合計額

このように自分で算出することも可能ですが、相続税額に誤りがないよう税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
おうちむすびに在籍するスタッフも相続診断士資格を有していますので、お気軽にご相談くださいね。

相続税を軽減できる控除制度

不動産の相続時に発生する税金を軽減できる控除制度

最後に、相続税の負担を軽減する控除制度について解説します。
次のような控除制度を活用できれば相続税の節税につながりますので、ぜひ積極的に活用しましょう。

 住宅取得等資金贈与の非課税の特例 

親から住宅購入の資金として生前贈与を受けた場合に、一定額までは贈与税を課さない制度です。
非課税の対象である上限額は、住宅の種類によって異なります。

● 省エネ性・耐震性・バリアフリー性のいずれかの性能がある住宅 … 1,000万円
● 上記以外の住宅 … 500万円


この制度を活用して生前贈与をすることで、相続財産を減らすことができます。
財産の多さに比例して相続税も高くなるため、非課税の特例を活用することで相続税の節税効果につながります。

 相続税の配偶者控除 

配偶者が相続した遺産のうち、課税対象が1億6,000万円まで、もしくは配偶者の法定相続分相当額であれば相続税がかからないという制度です。
たとえば配偶者の法定相続分が2億円でも、法定相続分相当額内であれば相続税は非課税となります。

 相次相続控除 

今回の相続開始前10年以内に相続が発生している場合は、過去に支払った相続税の一部を、今回の相続税から控除する制度です。
これは、短期間のうちに相続が発生したことによる相続税の負担を軽減することを目的としています。
前回の相続から今回の相続までの期間が短ければ短いほど、控除額が増える仕組みです。

まとめ

不動産を相続すると、相続登記による登録免許税と、遺産の相続による相続税が発生します。
相続税額を個人で計算することが難しい場合は、税理士などの専門家に相談しながら申告しましょう。
また、ほかの特例を活用することで相続税の負担を軽減できるため、利用できる控除制度を活用して節税につなげましょう。


記事監修

 おうちむすび

”お役立ち情報”おすすめ記事

  • 転職が住宅ローン審査に与える影響は?返済中に転職する場合の注意点も解説!の画像

    転職が住宅ローン審査に与える影響は?返済中に転職する場合の注意点も解説!

    お役立ち情報

  • 売買契約の特約による解除とは?ローン特約と買い替え特約について解説!の画像

    売買契約の特約による解除とは?ローン特約と買い替え特約について解説!

    お役立ち情報

  • おうちの購入に最適な時期とは?統計やライフイベントを目安に解説!の画像

    おうちの購入に最適な時期とは?統計やライフイベントを目安に解説!

    お役立ち情報

  • 不動産の売買契約で支払う手付金とは?種類や相場についても解説!の画像

    不動産の売買契約で支払う手付金とは?種類や相場についても解説!

    お役立ち情報

  • おうちの外壁につかわれるサイディングとは?適切なリフォーム時期も解説!の画像

    おうちの外壁につかわれるサイディングとは?適切なリフォーム時期も解説!

    お役立ち情報

  • おうちを購入するための資金援助を親に頼みたい!方法や注意点を解説!の画像

    おうちを購入するための資金援助を親に頼みたい!方法や注意点を解説!

    お役立ち情報

もっと見る