不動産購入にかかる不動産取得税とは?計算方法や軽減措置も解説

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不動産購入にかかる不動産取得税とは?計算方法や軽減措置も解説

不動産を購入する場合、不動産そのものの代金のほかに、さまざまな費用がかかります。
なかでも、不動産取得税には馴染みがない方が多いため、あらかじめどのようなものか知っておくことが大切です。
そこで今回は、不動産購入にかかる不動産取得税とはどのようなものなのか、具体的な計算方法と税金の軽減措置を解説します。

不動産購入にかかる不動産取得税とは

不動産購入にかかる不動産取得税とは

不動産購入をスムーズに進めるために、まずは不動産取得税がどのようなものかチェックしておきましょう。

不動産取得税の概要

不動産取得税とは、不動産を購入した場合に一度だけ課せられる税金です。
対象となる不動産は、マイホームのほか事業用のマンションなどで、個人だけでなく法人にも課税されます。
また、一戸建てなど土地と建物をセットで購入する場合、土地と建物それぞれに課税されます。
さらに、不動産の購入だけでなく、交換や贈与、増改築なども不動産取得税の対象となるでしょう。
増改築が不動産取得税の対象となるのは、工事によって不動産の価値が上がるためです。

不動産取得税はいつ納める?

不動産取得税を納めるには、自ら申告をおこなう必要があります。
不動産取得税は地方税であるため、不動産の所在する場所の都道府県税事務所に申告をおこないましょう。
申告に必要な書類は、都道府県税事務所またはホームページから入手できます。
申告の期限は、不動産を購入してから10~60日以内です。
都道府県によって期限に差があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
都道府県税事務所で申告後、不動産取得税の納付書が送付されます。
納付書が届くのは、不動産購入から半年~1年後です。
納付書に記載された期日を確認し、遅れないように不動産取得税を納めましょう。

不動産取得税がかからないケースがある?

不動産取得税は、不動産の購入や贈与など、広く取得行為に対して課せられる税金です。
ただし、不動産が相続により取得された場合、不動産取得税は基本的に非課税となります。
相続による不動産取得が不動産取得税の対象となるかどうかは、一定の要件を満たしているかで判断されます。
相続する不動産が不動産取得税の対象になるか判断が難しい場合は、相続相談士が在籍している弊社へご相談ください。

不動産購入にかかる不動産取得税の計算方法

不動産購入にかかる不動産取得税の計算方法

不動産取得税の内容や納付タイミングをチェックしたら、具体的な計算方法を確認しておきましょう。

不動産取得税の計算式

不動産取得税の基本的な計算式は、「不動産の価値×税率4%」です。
ただし、注意したいのは、不動産取得税の計算に使用される不動産の価値は、実際の購入価格ではないことです。
不動産取得税の計算に使用される不動産の価値は、固定資産税評価額を指します。
一般的には、実際の購入価格よりも固定資産税評価額のほうが30%ほど低くなります。
また、不動産取得税の計算においては、土地と建物をそれぞれ別々に計算することが重要です。
土地と建物それぞれの不動産取得税を計算したあと、両方を合算して実際の納税額を確認しましょう。
さらに、実際に納める不動産取得税の金額は、不動産の価値×税率から控除を差し引いた額となります。
不動産取得税を計算する前に、どのような控除が適用されるかを確認してください。

不動産取得税のシミュレーション

一戸建てを購入した場合の不動産取得税の計算をシミュレーションしてみましょう。
まず、不動産取得税の計算に使用する不動産の価値として、固定資産税評価額を確認します。
仮に、固定資産税評価額が土地1,050万円、建物1,250万円とし、それぞれに税率4%をかけます。
土地は1,050万円×4%、建物は1,250万円×4%となります。
その結果、土地の不動産取得税は42万円、建物の不動産取得税は50万円です。
最後に、両方の金額を足して、合計で92万円を不動産取得税として納めます。
ただし、実際にはさまざまな軽減措置が適用されることが多いため、固定資産税評価額×4%よりも少ない金額が不動産取得税となるでしょう。

不動産購入における不動産取得税の軽減措置

不動産購入における不動産取得税の軽減措置

不動産取得税の基本的な金額は「固定資産税評価額×4%」で求めます。
ただし、軽減措置が適用されると、不動産取得税の負担を減らせます。

土地と住宅の軽減税率

2027年3月31日までに購入したマイホームには、不動産取得税の税率が引き下げられます。
不動産取得税の税率は原則として4%ですが、土地と住宅には3%の軽減税率が適用されます。
この軽減税率の適用要件は、購入した不動産が土地または住宅であることのみです。
購入する土地や住宅に特別な条件はないため、比較的利用しやすい軽減措置と言えます。

建物に対する軽減措置

要件を満たす建物に対しては、新築・中古を問わず、固定資産税評価額から一定金額が控除されます。
建物に対する控除金額は、新築された時期によって異なります。
1997年4月1日以降に新築された建物であれば、固定資産税評価額からの控除金額は1,200万円です。
また、1989年4月1日~1997年3月31日に建てられた住宅は、1,000万円が固定資産税評価額から控除されます。
この控除金額は新築日が古くなるほど少なくなり、1954年7月1日~1963年12月31日に建てられた住宅については、控除額は100万円です。
ただし、この軽減措置の対象となるには一定の要件を満たす必要があります。
具体的には、床面積が50㎡以上かつ240㎡以下であることや、不動産が購入者のマイホームまたはセカンドハウスとして使用されることが、軽減措置の要件となります。
また、新耐震基準に沿って建てられているか、新耐震基準を満たすよう補強工事がおこなわれていることを証明することも、軽減措置の要件です。
実際に計算する場合は、まず3%の軽減税率で基本的な不動産取得税額を算出し、適用できる控除を差し引いてください。

土地に対する軽減措置

2027年3月31日までに購入した住宅と土地は、不動産取得税の税率が3%になりますが、土地については、固定資産税評価額が半額になる軽減措置が受けられます。
土地にかかる不動産取得税の基本的な計算式は、固定資産税評価額×0.5×3%です。
さらに、土地についても建物と同様に控除があり、2種類の控除額のうち大きいほうを差し引いて計算します。
土地の控除額は、4万5,000円または(1㎡あたりの固定資産税評価額×0.5)×(課税床面積 × 2)×3%のいずれかとなります。
ただし、課税床面積として計算できるのは200㎡が限度です。
まずは、固定資産税評価額×0.5に軽減税率3%をかけてから、適用できる控除を差し引いて計算しましょう。

不動産取得税の軽減措置を受けるには?

不動産取得税の軽減措置を受けるには、早めに手続きをおこなうことが大切です。
手続きをせずに放置していると、軽減措置が適用されず、高額な不動産取得税の納付書が届く可能性があります。
不動産取得税の軽減措置の申告先は、不動産取得税の申告と同様に、不動産がある地域の都道府県税事務所です。
不動産購入後には引っ越しなどで多忙になりがちですが、忘れないように手続きを進めましょう。
万が一、軽減措置の適用を受けるための申告を忘れた場合は、都道府県税事務所へ相談するのがおすすめです。
申告期限後であっても、まずは都道府県税事務所へ確認し、軽減措置を受けられないか相談してみてください。

まとめ

不動産取得税とは、不動産を購入した場合に1度だけ納める地方税です。
不動産取得税の基本的な計算式は、固定資産税評価額×税率となります。
ただし、2027年3月31日までの購入だと3%の軽減税率が適用になるほか、一定の要件を満たす土地・建物について控除が受けられる場合、不動産取得税の負担が少なくなります。


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