根抵当権が付いた不動産を売却する際の流れは?注意点も解説

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根抵当権が付いた不動産を売却する際の流れは?注意点も解説

物件相続後、「すぐに売却したい」と検討される方もいらっしゃるでしょう。
しかし、相続した物件を問題なく売却し、引き渡しを完了させるためには、この権利を引き渡し時までに抹消する必要があります。
相続した不動産をスムーズに手放すためにも、根抵当権の状況を正確に把握し、早めに手続きへ着手することが大切です。
今回は、根抵当権が設定された不動産を売却する際の注意点と手続きの流れについて解説します。

不動産売却前に知っておきたい!根抵当権の特徴

不動産売却前に知っておきたい!根抵当権の特徴

まず、根抵当権とは、将来発生する複数の債務をまとめて担保するために設定される権利です。
事業者向けに利用されるケースが多いものの、不動産の売買や住宅ローンの契約を通じて、個人の売買に関わる場面もあります。
まずは、根抵当権の基本的な特徴を確認しておきましょう。

特徴①極度額の範囲内であれば何度でも借り入れができる

根抵当権の大きな特徴は、設定された極度額の範囲内であれば繰り返し借り入れを受けられる点です。
たとえば極度額が1,000万円の場合、最初に500万円を借り、後から残りの500万円を追加で借りる、といった利用が可能です。
また、抵当権とは違い、一度全額返済しても根抵当権は自動的に消滅しないため、再度の借り入れもスムーズにおこなえるというメリットがあります。

特徴②登記の手間と費用が省ける

抵当権を設定する場合には、借り入れ額に応じて「設定登記」をおこない、通常0.4%の登録免許税を支払う必要があります。
同じ不動産を担保に複数回融資を受ける場合は、その都度設定登記をおこない、登録免許税や司法書士への手数料が発生します。
一方、根抵当権は初回の設定登記を一度行えば、極度額の範囲内で何度でも借り入れが可能です。
追加の登記や登録免許税が不要なため、抵当権と比べて手続きの手間やコストを大幅に抑えられる点が大きなメリットです。

根抵当権と抵当権の違い

根抵当権と混同されやすい権利に「抵当権」があります。
抵当権は、特定の借り入れに対して設定される担保権で、借り入れ金を完済するとその権利も消滅します。
一方、根抵当権は極度額の範囲内であれば繰り返し借り入れができ、たとえ全額返済しても自動的には消滅しません。
このように、抵当権が単発の融資に用いられるのに対し、根抵当権は継続的な融資や取引関係を支える担保として適している点が大きな違いです。

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根抵当権の付いた不動産を売却する際の流れ

根抵当権の付いた不動産を売却する際の流れ

根抵当権が付いている不動産は、一般的な物件に比べて売却のハードルが上がる傾向がありますが、売却自体が不可能というわけではありません。
スムーズに売却手続きを進めるためにも、売却までの流れを事前に押さえておくことが大切です。

売却の流れ①残債と査定額を把握する

根抵当権が設定された不動産を売却する際は、まず借り入れの残債と物件の査定額を確認します。
査定額が残債を上回っていれば問題なく売却できますが、下回っている場合は、その差額を自己資金で補う必要があります。
自己資金での補填が難しいケースでは、任意売却や他の不動産を担保とする方法など、別の選択肢を検討しなければなりません。
任意売却とは、借り入れ金の完済が難しい場合に債権者の同意を得て市場で売却する方法で、得た資金は残債の返済に充てられます。
任意売却では、競売に比べて高く売れる可能性があり、結果的に残債を大幅に圧縮できる場合もあります。

売却の流れ②債権者と話し合う

債務を完済できる見通しが立ったら、次は債権者である金融機関との交渉に進みます。
根抵当権を抹消するには金融機関の同意が欠かせませんが、必ずしもすぐに応じてもらえるとは限りません。
根抵当権が設定された不動産は、将来的に継続した担保価値が期待できるため、金融機関は根抵当権の抹消に慎重になるケースもあります。
もし抹消の同意が得られない場合は、売却の必要性や状況を丁寧に説明し、粘り強く話し合いを続けることが大切です。
また、任意売却を選ぶ場合も、債権者である金融機関の承諾が必須となります。
いずれの方法でも、交渉に時間を要するケースがあるため、早めに不動産会社へご相談ください。

売却の流れ③元本確定をおこなう

金融機関の同意が得られたら、次に「元本確定」の手続きへ進みます。
元本確定とは、根抵当権で管理されている借り入れ額をその時点で固定し、追加の借り入れができない状態にすることです。
この手続きをおこなうことで、新たな融資は受けられなくなり、根抵当権は通常の抵当権に近い扱いになります。
その後、確定した残債をすべて返済できれば、根抵当権を抹消することが可能です。

売却の流れ④売却活動を進める

根抵当権の抹消登記が完了すると、いよいよ物件を売り出せるようになります。
その後の手続きは一般的な不動産売却と同じで、販売活動から始まり、売買契約、物件の引き渡しへと進んでいきます。
なお、引き渡しの時点までに根抵当権の抹消が完了していることが必須条件です。
売却スケジュールを組む際は、抹消手続きにかかる期間もあらかじめ見込んでおくと安心ですよ。

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根抵当権の付いた不動産を売却する際の注意点

根抵当権の付いた不動産を売却する際の注意点

根抵当権が付いた不動産は、手続きや金融機関との交渉が必要になるため、一般的な売却よりも注意すべき点が多くあります。
スムーズに売却を進めるためにも、事前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

注意点①所有者と債務者が異なるケースがある

根抵当権が設定された不動産では、所有者と実際に融資を受けた債務者が一致しないケースがあります。
親族や関連会社の債務を担保する目的で根抵当権が付けられている場合、所有者の方が借り入れ状況を十分に把握できていないことも珍しくありません。
その結果、気付かないうちに借り入れ額が増えており、いざ売却しようとした際に、売却代金だけでは返済をまかないきれずトラブルに発展する可能性があります。
とくに根抵当権は極度額の範囲内で繰り返し借り入れができるため、想定以上に債務が膨らんでいることもあります。
売却を検討する際は、事前に債務残高や根抵当権の詳細を確認し、必要に応じて専門家のサポートを受けることが重要です。

注意点②一度元本を確定すると元に戻せない

前述のとおり、元本を確定すると、その時点から根抵当権は通常の抵当権と同じ性質になります。
つまり、確定後は同じ根抵当権を利用して新たに融資を受けることはできません。
さらに、一度確定した元本は、当事者同士が合意したとしても再び根抵当権の形に戻すことは不可能です。
これは、元本確定後に新しい債権を担保するための仕組みが根抵当権には備わっていないためです。
今後の融資や不動産の活用を視野に入れている場合は、元本確定のタイミングを慎重に判断しなければなりません。

注意点③完済後は早めに根抵当権の抹消手続きをおこなう

残債の返済が完了したら、できるだけ早めに根抵当権の抹消手続きを進めることが重要です。
時間が経つほど手続きが複雑になり、余計な手間や費用が発生する可能性が高まります。
また、金融機関が発行する「登記原因証明情報」などには、有効期限として発行日から3か月という制限があります。
期限を過ぎると書類を再取得しなければならないため、スムーズに根抵当権を抹消するためにも、早めの対応を心がけましょう。

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まとめ

根抵当権が設定された不動産を売却する際は、まず残債と査定額を確認することが重要です。
もし残債が査定額を上回る場合は、自己資金で不足分を補うか、任意売却の検討が必要になります。
任意売却でも通常売却でも、金融機関の同意が不可欠です。
スムーズに売却を進めるためにも、できるだけ早い段階で不動産会社へ相談することをおすすめします。

おうちむすびの写真

おうちむすび

守山区を中心に愛知県内の住まい探しをサポートしています。「お客様の人生に寄り添う」をモットーに地域で一番選ばれる不動産屋を目指し、誠実なご提案を心がけています。
不動産は暮らし全体を支える大切な要素。だからこそ、安心して一歩を踏み出せるよう、丁寧なサポートを徹底しています。

■強み
・地域密着で不動産売買に多数の実績あり
・ホームインスペクションや火災保険、住宅ローンの手続きにも対応
・専門家との連携によるワンストップ対応が可能

■事業
・新築戸建て / 中古戸建て / 中古マンション / 土地などの不動産売買
・住宅購入時のご相談から各種手続きまで幅広くサポート
・住み替えや資産活用に関するご相談も対応可能


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